「野球カステラ」をご存じでしょうか?
当方も知らなかったのですが、たまたま新幹線の車中で雑誌をめくっていると、神戸で伝統的に作られているとの記事を見つける。
これでも元プロ野球選手。
「これは自分が買いに行かなければ」という強い使命感で、早速神戸まで足を伸ばした次第です。
神戸には「野球カステラ愛好会」なるものがあって、神戸市内で野球カステラを作っている店を紹介するチラシ(神戸野球カステラマップ)を制作している。
現在、神戸市内では8店舗が野球カステラを作っているそうだ。
その中の一つ、創業80年を超える「手焼き煎餅おおたに」さんを訪ねた。
阪急電車、春日野道駅から徒歩3分ほどの商店街の中にある。
歴史を感じる店に入ると、ありました!「野球カステラ」。
いや、実際にお見せできないのが残念ですが、可愛い。
本当に一つ一つが芸術的に可愛い。
カステラの大きさは、それぞれが3センチ四方くらいのサイズなのですが、そのデザインが野球ファンにはたまらなくレトロで愛らしいのだ。
・グローブ
・キャップ(帽子)
・マスク(キャッチャーマスクか審判のマスクか?)
・審判のインジケーター
・バット(細いカステラ)
・ボール(他の物より少し小さい)
とにかくデザインが素敵で、しかもすべてがオールドスタイル。
「手焼き煎餅おおたに」のご主人は3代目で、今でも「野球カステラ」を手焼きで焼いているのだ。
1袋の価格は、カステラが17個入って350円。
値段も信じられないくらいリーズナブルだ。
かつては、もっと多くの煎餅屋さんで焼かれていたそうだが、阪神・淡路大震災の影響で徐々に減ってしまったそうだ。
それでも今回「野球カステラ」に出会えたことは、本当に幸せなことだ。
神戸で野球カステラが作られたのは、やはり国際都市・神戸だからだろう。それだけ野球をはじめ洋風なものが浸透していたから。そして、カステラのデザインには当時の道具の面影が見事に残っている。
こうしたお菓子の文化からも野球の歴史を感じることができる。
野球カステラも大事な野球の歴史の一部だ。
見てよし、食べてよし。
この宝物もしっかり支えて、守っていかなければならないと美味しいカステラを食べながら思った。
令和の断面