来年早々にアフリカに行くことになった。
行き先をまだ明らかにすることはできないが、ODAの視察で東海岸の国々を訪ねる予定だ。
はじめてのアフリカ。
楽しみでワクワクしていると、のんきに喜んでいる訳にはいかなかった。
予防接種を山のように打たなければならないのだ。
黄熱病、破傷風、狂犬病、腸チフス、A型肝炎、B型肝炎 、等々……。
しかも、一回で済まない。
12月中に3回病院に行かなければならない。
体内に免疫をつくるために、1か月以上前から数回に分けてこれらを打たなければならないのだ。
やっぱりアフリカはアフリカだ。
日本とは、待ち受けている環境がまったく違う。
しかし、私たちが行くとなるとこれだけの注射を打たなければ行けないところでありながらも、多くの人々がそこで綿々と暮らし続けているのだ。
それを考えるだけでも、「すごいな!」と感動してしまう。
アフリカは、私たち人類のルーツが生まれたところ。
人類はアフリカから地球上にフロンティアを求めて旅に出たのだ。
私は以前から感じていたのだが、長くかかわってきた、そして大好きなスポーツは旅に似ていると思う。
相手と向き合って試合が始まる。
あるいは緊張の中で自分の演技を披露する。
そこから始まるスポーツは、新しい時間と空間に飛び込んでいく作業だ。
野球の試合であれば、9回までおよそ3時間の旅行だ。
そこではいろいろなことが起こる。以前経験したようなこと。初めて出会う出来事。見たこともない相手のプレー。そうした状況を乗り越えてゴール(勝利)に目指して旅をする。
それが面白いのは、つねに新しい景色の中で、知らなかった自分に出会えるからだ。
今回のアフリカでも、そうしたことをたくさん経験できることだろう。
60代の私は、以前のように日本中を、世界中を飛び回るようなことはできない。でも、その面白さは私の中で消えることはない。
旅をすることやスポーツをすることは、私を成長させてくれる。
そこで新しい世界を知ることになる。
インターネットの登場で、世界の情報は家にいながら何でも手に入る時代になった。しかし、実際に旅に出る面白さはネットでは味わえない。
スポーツの魅力も一緒だ。
自分の身体を使ってプレーすることで、つねに新しい発見がある。
若い世代のみなさんには、もっと旅に出て、もっとスポーツをプレーして欲しいと思う。
なぜなら、そこに生きている面白さがあるからだ。
それを思えば、注射の10本くらいは大したことはない(笑)。
令和の断面
青島 健太 Aoshima Kenta
昭和33年4月7日生/新潟県新潟市出身
慶応大学野球部→東芝野球部→ヤクルトスワローズ入団(昭和60年)
同年5月11日の阪神戦にてプロ野球史上20人目となる公式戦初打席初ホームランを放つ。
5年間のプロ野球生活引退後、オーストラリアで日本語教師を経験。帰国後スポーツをする喜びやスポーツの素晴らしさを伝えるべくスポーツライタ―の道を歩む。
オリンピックではリレハンメル、アトランタ、長野、シドニー、ソルトレークシティー、アテネで、サッカーW杯ではアメリカ、フランス、日韓共催大会でキャスターを務める。
現在はあらゆるメディアを通して、スポーツの醍醐味を伝えている。
2022年7月の参議院議員選挙で初当選。