【令和の断面】vol.145「森保一日本代表監督の勧め」

令和の断面


「森保一日本代表監督の勧め」

 Jリーグ開幕の前日、日本サッカー協会の田嶋幸三会長、宮本恒靖専務理事、Jリーグ野々村芳和チェアマン、森保一日本代表監督が超党派で結成されるサッカー外交推進議員連盟の総会に出席した。
 会場となった衆議院議員会館の会議室には、国会議員はもちろん多くのメディアもやってきて会場はすごい熱気に包まれた。

 田嶋会長から昨年行われたW杯カタール大会の報告とサッカー協会の取り組みが紹介されると、野々村チェアマンからJリーグの現状とこれからのビジョン、宮本専務理事からは女子サッカーの重要性についてそれぞれ発表があった。
 そして会場が一段と熱い雰囲気になったのは、森保監督によるカタール大会の振り返りが行われている時だった。大会をまとめた10分ほどのビデオが流されると会場には初戦でドイツを破った興奮がよみがえり(笑)、ビデオが終わった時には参加者から思わず拍手があふれた。

 この後、国会議員と前述4氏との質疑応答が行われたが、その中で森保監督が語った2つの話を紹介しよう。

 ひとつは、子どもたちのサッカーについてだ。
 彼は、多くの子どもたちに、サッカーをやって欲しいと勧めた。

「サッカーは全身スポーツ。身体のすべてが鍛えられる。そして団体スポーツなので自分の役割をこなす責任感も養うことができる。そうして心と身体が出来上がったら、その後、どんなスポーツに転向することもできる。その意味でサッカーは優れたスポーツだと思う」

 続いては、今の若い選手(代表)たちのメンタリティーについて。

「多くの選手が欧州でプレーしている。彼らは日常的に世界レベルの選手たちと戦っている。だからそうした選手たちに怯むことがない。どんな強豪と対戦しても負けるとは思っていない。その臆することのないメンタリティーが自信となって粘り強いプレーを生んでいる」

 これはサッカーだけでなく、あらゆるスポーツに言えることだろう。
 開幕が近づいているWBC(野球)における日本の活躍にも、まったく同様のことが言える。野茂英雄氏にはじまり、イチロー氏や松井秀喜氏、ダルビッシュ有や大谷翔平等々、メジャーに渡った多くの日本人選手の活躍が、国内のプロ野球選手に自信と新たな目標を与えている。メジャーを目指す気持ちが、彼らのレベルを高めているのだ。
 そしてもちろん子どもたちの大きな夢にもなっている。

 サッカーを勧めた森保監督の話の通り、子どもたちにはどんなスポーツでもいいので、是非スポーツに親しんで欲しいと思う。
 身体を丈夫にして、友達をたくさんつくる。
 それが基礎となって将来、勉強、仕事、スポーツで彼ら彼女らを支える力になる。
 そして、いつの日か海外に飛び出す。

 さあ、サッカー(W杯)に続いていよいよ野球(WBC)の出番だ。
 侍ジャパンの活躍に期待しよう。
 コロナ禍の子どもたちに夢を与えて欲しい。

青島 健太 Aoshima Kenta
昭和33年4月7日生/新潟県新潟市出身
慶応大学野球部→東芝野球部→ヤクルトスワローズ入団(昭和60年)
同年5月11日の阪神戦にてプロ野球史上20人目となる公式戦初打席初ホームランを放つ。
5年間のプロ野球生活引退後、オーストラリアで日本語教師を経験。帰国後スポーツをする喜びやスポーツの素晴らしさを伝えるべくスポーツライタ―の道を歩む。
オリンピックではリレハンメル、アトランタ、長野、シドニー、ソルトレークシティー、アテネで、サッカーW杯ではアメリカ、フランス、日韓共催大会でキャスターを務める。
現在はあらゆるメディアを通して、スポーツの醍醐味を伝えている。
2022年7月の参議院議員選挙で初当選。
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