【令和の断面】vol.183「デフリンピックを応援しよう」

令和の断面

 「718、この数字が何だかわかりますか? 2025年秋に迫ったデフリンピックまで今日で718日です。もう2年を切りました。みなさんと一緒のこれからさらに機運を盛り上げていきたいと思います」と手話で挨拶したのは、全日本ろうあ者連盟、石野富志三郎理事長だ。

 参議院議員会館で朝8時半に始まった「2025年デフリンピック東京大会推進議連」の総会には、早朝にもかかわらず100人を超える関係者が集まって、全日本ろうあ連盟や東京都、スポーツ庁からの報告を聞いた。

 2025年11月15日から26日までの12日間、東京で第25回夏季デフリンピックが開催される。参加国は70~80の国と地域、6000人を超える各国選手団が日本にやってくる。

 デフリンピックとは、聴覚障害の方々の国際スポーツ大会だ。

 この日は、準備の進捗状況の説明に加え、9月に決まったエンブレムとピンバッチが改めてお披露目された。

 実は、以前開催されたこの会議で「ピンバッチを作りましょう」と提案したこともあって、出来上がったピンバッチを前に、嬉しさと責任を改めて感じた。

 挨拶に立った国会議員や大会関係者から口々に出たのは、この大会がまだまだ認知されていないという現実だった。

 「国民のほとんどが、この大会の開催を知らない。もっともっと機運を高めていかなければならない」

 その認識が、この日の会議でも共有された。
 そして、そのためのピンバッチでもあった。

 ろうあ者の方々もさまざまなスポーツに取り組んでいる。
 今大会でも、21の競技が行われる。種目的には、五輪とほとんど変わらない。
 唯一違うのは、陸上のスタート(ピストルの音)や審判の笛が会場で聞こえないことだ。
 例えば陸上のスタートは、スタートランプを目視することで行われる。
 こうしたデフリンピックならではの方式やルールも、この大会の見どころのひとつと言ってもいいだろう。

 この原稿もデフリンピックをもっと知ってもらいたいという思いで書いている。

 そして、今回の東京大会を通じて、さらにインクルーシブな社会を作っていく。
 そのためにも今大会をしっかりと成功させなければならない。

 また機会を見て、デフリンピックをアピールしていきます。

青島 健太 Aoshima Kenta
昭和33年4月7日生/新潟県新潟市出身
慶応大学野球部→東芝野球部→ヤクルトスワローズ入団(昭和60年)
同年5月11日の阪神戦にてプロ野球史上20人目となる公式戦初打席初ホームランを放つ。
5年間のプロ野球生活引退後、オーストラリアで日本語教師を経験。帰国後スポーツをする喜びやスポーツの素晴らしさを伝えるべくスポーツライタ―の道を歩む。
オリンピックではリレハンメル、アトランタ、長野、シドニー、ソルトレークシティー、アテネで、サッカーW杯ではアメリカ、フランス、日韓共催大会でキャスターを務める。
現在はあらゆるメディアを通して、スポーツの醍醐味を伝えている。
2022年7月の参議院議員選挙で初当選。
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