大相撲夏場所が始まった。
残念ながら横綱・大の里と大関・安青錦が初日から休場(横綱・豊昇龍も2日目から休場)となったが、魅力的な力士は他にもたくさんいる。下位力士にも優勝のチャンスが広がるという点では、今場所も盛り上がることだろう。
大相撲と言えば、解説でもおなじみの尾車親方(大関・琴風)から、以前、こんな話を聞いたことがある。
尾車さんが私を見て言ったのだ。
「青島さんも、角界に来ていたら、きっといいお相撲さんになったでしょうね」
これでも私は、元プロ野球選手。
身長183センチ、体重も80キロある。
一般の人に比べれば大柄と言えるだろうが、大相撲の世界では身長は平均的なサイズかもしれないが、体重は軽すぎる。
それに身体が固い。とりわけ股関節の柔軟性がない。
そんな自分の身体的特徴を自覚しているので、尾車親方にこう答えたのだ。
「いや尾車さん。私は身体が固くてそんなに大きくもないから無理でしょう」
すると尾車さんは、力士の適性をこう説明してくれたのだ。
「青島さん、もちろん身体は大きいにこしたことはないんですが、それよりも大事なことは自分の長所をどうやって伸ばすかということです。身体の大きな人はその体格を活かすような相撲を取る。小柄な人は食らいつくようなしつこい相撲を取ればいい。四つ相撲、突き押しの相撲、自分の特徴を活かした相撲を作っていく。大切なことは自分の持ち味をどうやって活かすかということなんです」
つまり自分の特長をどうやって最大化していくか。
ないものを求めるのではなく、持てるものを磨いていく。
そこに大相撲の魅力と可能性があるというのだ。
尾車親方に教えていただいたこの相撲界の哲学、あるいは生き方というものは、
私の中で大事な教訓となっている。
思えば、私が今いる政治の世界にも同じようなことが言えるかもしれない。
どんな分野でもオールマイティーにこなせることが理想だ。しかし、なかなかそうもいかない。
そうした中でそれぞれの議員は、自分の特長を活かして活動している。
外交が得意な人、経済に明るい人、農業を営んでいた人、教育に熱心な人、医師として医療に取り組んできた人、法律に詳しい人、等々。
それぞれのキャリアや職歴を活かして問題や課題に取り組んでいる。
自分のいる世界(学校、会社、組織)でどうやって活躍していくか。
なんかやる気が出ない。この時期、5月病で悩んでいる人もいるかもしれない。
大丈夫。
やれることをやる。
自分の持ち味を磨く。
大事なことは自分の特長を活かすこと。
そのくらい気楽に考えて勉強や仕事に取り組んでいくのはどうだろうか。
令和の断面
青島 健太 Aoshima Kenta
昭和33年4月7日生/新潟県新潟市出身
慶応大学野球部→東芝野球部→ヤクルトスワローズ入団(昭和60年)
同年5月11日の阪神戦にてプロ野球史上20人目となる公式戦初打席初ホームランを放つ。
5年間のプロ野球生活引退後、オーストラリアで日本語教師を経験。帰国後スポーツをする喜びやスポーツの素晴らしさを伝えるべくスポーツライタ―の道を歩む。
オリンピックではリレハンメル、アトランタ、長野、シドニー、ソルトレークシティー、アテネで、サッカーW杯ではアメリカ、フランス、日韓共催大会でキャスターを務める。
現在はあらゆるメディアを通して、スポーツの醍醐味を伝えている。
2022年7月の参議院議員選挙で初当選。
