中学校で部活動をしている3年生の生徒たちは、この夏の試合、あるいは活動で引退することになる。とりわけ野球部の活動は、夏休みに県大会などを開催する日程上、6月の今頃それぞれの地域で予選が行われ、そこで負けてしまうと1、2年生の新チームに移行し、3年生はここで競技を終えることになる。
一番成長できる中学3年生(15歳)の夏を、何もしないで過ごすのはもったいない気がするが、それでも最後に試合ができた中学は良い方なのだ。
いま全国的に中学の野球部員は減少し、部員が9人に満たないチームは、休部や廃部になっているところが多い。
野球をやりたくても中学に野球部がないのだ。
そんなこどもたちに何とか野球をやらせてあげたい。
そうした生徒たちの思いに答えて、学校ではなく地域のクラブとして活動を始めているチームが増えている。
たとえば岩手県宮古市のケース。
宮古エンジョイベースボールクラブが、今春、地域クラブとして発足した。宮古市内では、11中学のうち6校が部員不足で野球部がないそうだ。今回できたクラブは、4校に通う18人が所属している。
練習は、中学校のグラウンドや野球場を借りて週1、2回程度。
もっと練習ができたらよいのにとも思うが、指導者の手配やグラウンドへの送り迎えなど、課題もあるようだ。
このクラブの発起人の方は「宮古の学童野球はチーム数が増えているのに中学は野球部がないところも多い。たくさん練習させてあげたいが、練習場所の確保やコーチの手配など苦労も多い。行政の支援がもっとあったらうれしい」と話している。
このコラムでも何度も書いてきたが、いま全国で部活動の地域移行が始まっている。宮古のチームは、モデルケースとも言えるだろう。こうしたチームを物心両面で行政がしっかり支えてもらいたいと思う。
中学校に野球部がない寂しさはあるが、クラブチームのメリットは大会で負けても引退する必要がないことだ。高校で野球を続けたい人は、後輩の練習を手伝いながら自分も練習したらよい。
夏休みは年齢的にも一番成長できる時だ。
よい指導者に来てもらえれば、なおさらのことだ。
部員不足という逆境も考え方次第でチャンスに変えられる。
合同チームやクラブチームが、全国でうまく機能することを願っている。
令和の断面
青島 健太 Aoshima Kenta
昭和33年4月7日生/新潟県新潟市出身
慶応大学野球部→東芝野球部→ヤクルトスワローズ入団(昭和60年)
同年5月11日の阪神戦にてプロ野球史上20人目となる公式戦初打席初ホームランを放つ。
5年間のプロ野球生活引退後、オーストラリアで日本語教師を経験。帰国後スポーツをする喜びやスポーツの素晴らしさを伝えるべくスポーツライタ―の道を歩む。
オリンピックではリレハンメル、アトランタ、長野、シドニー、ソルトレークシティー、アテネで、サッカーW杯ではアメリカ、フランス、日韓共催大会でキャスターを務める。
現在はあらゆるメディアを通して、スポーツの醍醐味を伝えている。
2022年7月の参議院議員選挙で初当選。