国際オリンピック委員会(IOC)の会長にカースティー・コベントリー氏が就任した。
ジンバブエ出身のコベントリー氏は、41歳。
競泳女子で金メダルを獲得した元五輪選手で、1894年のIOC創設以来、10代目にして初の女性会長となり、歴代会長9人が欧州出身の中、アフリカ出身の会長が誕生した。
6月23日のオリンピック・デーにスイス・ローザンヌのIOC本部で開催された引継ぎ式で、9代会長トーマス・バッハ氏から会長の座を受け継いだ。
ここまでIOCの会長をすべて男性が務めてきたこと、そしていずれの会長も欧州出身の会長だったことには、それなりの意味があるはずだ。
それはIOCの歴史そのものであり、スポーツが男性中心に行われてきた証だろう。
近代スポーツは、ヨーロッパの男性社会中心に行われ、それは時にそれぞれの国の国威を表すものでもあった。また近代における欧米諸国は強国でありその背景を有する者が、当然のこととしてIOCの会長に推されてきたのだ。
極論すれば、スポーツと五輪は欧州の男性社会が牽引してきたのだ。
しかし、そうした状況と価値観が女性の社会進出によってついに女性会長を生み出すまでになった。しかもアフリカ出身の会長を。
五輪においては、男子と女子の参加選手数はほぼ同じになった。
また昨今は、男女混合の種目が多く創設されている。
五輪においては、男女の格差がどんどんなくなってきているのは事実だろう。
しかし、その一方で今なお戦禍は広がり、地域による分断は残念ながら一層先鋭化している。
そんなタイミングで新会長となったコベントリー氏は、次のように挨拶した。
「(オリンピックムーブメントは)人々の人生を変え、希望をもたらす土台です。それを継承するために、みなさん一人ひとりと仕事をするのを楽しみにしています。分断された世界において、希望の光となり続けましょう」
紛争において、スポーツに何ができるかは微力であり未知数だ。
しかし敵も味方もなく、多くの人に希望の光を届けることはできる。
この分断の時代に必要なのは、まさにスポーツ的なフェアネスと寛容だ。
コベントリー新会長には、これまで以上に世界平和に貢献するスポーツならではの活動を期待したい。
令和の断面
青島 健太 Aoshima Kenta
昭和33年4月7日生/新潟県新潟市出身
慶応大学野球部→東芝野球部→ヤクルトスワローズ入団(昭和60年)
同年5月11日の阪神戦にてプロ野球史上20人目となる公式戦初打席初ホームランを放つ。
5年間のプロ野球生活引退後、オーストラリアで日本語教師を経験。帰国後スポーツをする喜びやスポーツの素晴らしさを伝えるべくスポーツライタ―の道を歩む。
オリンピックではリレハンメル、アトランタ、長野、シドニー、ソルトレークシティー、アテネで、サッカーW杯ではアメリカ、フランス、日韓共催大会でキャスターを務める。
現在はあらゆるメディアを通して、スポーツの醍醐味を伝えている。
2022年7月の参議院議員選挙で初当選。