W杯で快進撃を続けるサッカー日本代表。
強豪オランダに先制されながらも2対2の引き分けに持ち込んだ後も、チュニジアに4対0と快勝。監督交代という非常事態のチュニジアとは言え、アフリカ代表に4点を取るのは実力の証しと言えるだろう。
このまま波に乗って第3戦のスウェーデンも撃破して欲しいものだ。
好調の要因は何か。
まずは攻撃陣の決定力をあげるべきだろう。
2試合で6得点。
前で張る選手だけでなく、中盤から攻撃参加する選手も得点を奪っている。
オランダ戦(2対2)では、中村敬斗、鎌田大地。
チュニジア戦(4対0)では、鎌田大地、上田綺世、伊東純也、上田綺世。
それぞれの選手が、ここという場面でしっかりゴールを決める。
その決定力(集中力)が、見事に機能している。
また守備陣の鉄壁な守りも評価されるべきだろう。
オランダ戦では2失点したものの、ゴールキーパーの鈴木彩艶を中心にチーム全員が守備の意識を共有し、的確な守りを続けている。前からの早めのプレスが攻撃の芽をうまく摘んでいる。
いずれにしても攻守において、日本代表の選手が伸び伸びと自分たちの個性を発揮できているところに好調の理由がある。
これはひとえにここまでのチームビルディング。
森保一監督の8年越しのマネジメントが選手の才能をチーム力に見事に集約しているからだろう。
と、森保監督を書いてここで筆をおく(古いですね)、今風に言えばノートパソコンを閉じてもいいのだが、最後に前キャプテンの遠藤航に触れておこう。
日本代表に選出されて現地まで行動を共にしていた遠藤だが、大会が始まる直前にキャプテンの任を解かれ、代表を離脱した。
痛めた足(2月に手術)のケガが回復しなかったのだ。
その時、遠藤はチームメイトに動画を残していった。
報じられているところによると、彼はチームの仲間にこう言い残したようだ。
「来られない選手のために頑張ると言わなくていい。自分のために頑張ってほしい」
このメッセージをどう受け止めるかは、選手それぞれ、遠藤との関係性にもよるのかもしれないが、誰もが心を動かされたことは間違いないだろう。
新キャプテンを任された板倉滉は、「もうここからはこのメンバーでやるだけ。しっかり責任をもって戦って優勝しましょう」と、ミーティングで涙ながらに語った。
去っていく人に感傷的になっている場合ではない。
日本代表に求められる態度とは何なのか。
勝利のために雑念を捨ててすべてを試合にぶつける。
遠藤が求めたことはそうした姿勢であり、同情や感傷ではない。遠藤は「俺のために頑張るな」と伝えたかったのだ。
今の日本代表を貫いているのは、ドライな(飢えた)プロフェッショナリズムだ。
次戦(スウェーデン戦)も、日本代表の容赦ない戦いを期待しよう。
令和の断面
青島 健太 Aoshima Kenta
昭和33年4月7日生/新潟県新潟市出身
慶応大学野球部→東芝野球部→ヤクルトスワローズ入団(昭和60年)
同年5月11日の阪神戦にてプロ野球史上20人目となる公式戦初打席初ホームランを放つ。
5年間のプロ野球生活引退後、オーストラリアで日本語教師を経験。帰国後スポーツをする喜びやスポーツの素晴らしさを伝えるべくスポーツライタ―の道を歩む。
オリンピックではリレハンメル、アトランタ、長野、シドニー、ソルトレークシティー、アテネで、サッカーW杯ではアメリカ、フランス、日韓共催大会でキャスターを務める。
現在はあらゆるメディアを通して、スポーツの醍醐味を伝えている。
2022年7月の参議院議員選挙で初当選。