令和の断面

vol.319 郭泰源さんは元気です

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     視察に行った台湾で懐かしい人と話すことができた。
     台湾史上最高の投手とも言われた郭泰源さんだ。
    
     読者の中には、「あれ?その名前は?」と思う方もいるはずだ。そう、韓国ソウルの蚕室スタジアムについて書いた時に登場した投手だ。
     1983年、ソウルで行われたロサンゼルス五輪の予選で対戦しているのだ。
     この時の台湾は、強力なチームだった。その投手陣を支えていたのが郭泰源投手。もう一人の荘勝雄投手と2枚看板で対戦相手を投手力で圧倒していた。
    
     後のこの二人は、日本球界でも活躍する。郭泰源さんは、埼玉西武ライオンズ、荘勝雄さんは千葉ロッテマリーンズに入団。共にエースとしてチームを支え、引退後は二人ともコーチとして日本球界で指導に当たった。そのことからも彼らがいかに素晴らしい投手だったかを想像してもらえるだろう。
    
     郭泰源さんを紹介してくれたのは、台湾・高雄の国会議員、邱立法委員だった。
     民進党の本部で邱委員に会って、私がかつて台湾代表の郭泰源さんと対戦したことがあるとお伝えすると、彼女は郭さんと古くからの友達だというのだ。
     そう、郭さんも高雄の出身。
     すると邱さんが、その場で郭さんに電話してくれたのだ。
    
    「元気ですか?」と郭さん。
    「いま台湾に視察に来ているんです」
    「ソウルで対戦しましたね」と私。
    「そうですね」と郭さん。
    
     ほんの数分だったが、邱さんのおかげで時間と国を越えて懐かしい球友と話をすることができた。
    
     台中市ではこんなことがあった。
     台中は台湾の中でももっとも野球が盛んな地域だ。
     私が行ったときには、ちょうどU18(アンダー18歳)のアジア野球選手権が台中で開催されていた。(残念ながら観戦には行けなかった)
    
     台中出身の国会議員や副市長との会食の席。
     参加した日本の議員に台中市の「バッヂ」が配られた。
     その際、なぜか私のところまで回ってこなかったので、私は野球の掛け声を真似して大きな声で言ったのだ。
    
     「バッチ、来い!」
    
     これがなぜか台湾の関係者にもウケて、おかげさまで場を盛り上げることができたのだ。
    
     訪台中、先方に私がヤクルトの選手だったという情報が渡っていたので、何処へ行っても野球の話で盛り上がることができた。
     そして大事な防衛や経済の話も、良い関係の中で進めることができた。
    
     スポーツは、単なる運動に留まらない。
     相手とのコミュニケーションを円滑にし、国際的な場面でもお互いを理解する材料になる。
     もう現役時代は30年以上前のことになるが、野球をやってきて本当に良かったなと、改めて思う今回の台湾視察だった。
    
    

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