この日(7月4日)、秩父宮ラグビー場に詰めかけた観衆は、21329人。
そしてその多くのファンが、日本代表の赤いラグビージャージを身にまとっていた。おかげでホームスタンドから見るバックスタンドは、ほぼ真っ赤に染まっていた。その光景だけでも圧巻であり、高まるラグビー人気を物語っていた。
久しぶりのラグビー観戦。
友人に誘われて観に行ったが、正直に言えば苦戦を想像していた。
日本の世界ランキングは12位。相手は、世界ランキング10位の「アズーリ」ことイタリア代表。これまでの対戦成績は2勝8敗。ここ数年勝ったことがない。イタリアと言えば、まずはサッカーの強国をイメージするが、どっこいラグビーも世界的な強豪国だ。
新しく創設された「ネーションズチャンピオンシップ」。
ラグビーファンにはお馴染みの「シックスネーションズ(北半球強豪6か国)」に南半球6か国(日本を含む)が加わる大会で、隔年で行われることになった。
南半球グループに所属する日本は、イタリアをはじめとする北半球の強豪国とこれから順番に対戦していく。
その初戦となったのが、イタリア戦だった。
結果は、もう報じられている通り27対10で日本代表はイタリアに勝利。
それもまったく危なげない戦いだった。
2回目の就任となったエディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が標榜するのは「超速ラグビー」。
相手をスピードで上回って主導権を奪うラグビーだ。そこにはプレーのスピードだけでなく判断の早さや意思疎通の速さも含まれる。
この日の日本代表は、まさにそれを実践するラグビーを展開した。
密集からフォワードが素早く抜け出しボールを回す。相手の守備陣形が整う前に攻め込むことでゲインを重ねる。
また有効なキックを的確に蹴り込むことで相手のキャッチミスを誘い攻撃の起点をつくる。
こうした「超速ラグビー」が見事に機能してイタリアに8年ぶりの勝利をおさめたのだ。
これから日本代表は、イタリアに続いてアイルランド(@オーストラリア)やフランス(@日本)と7月に対戦する。そして11月には、アウェイでウェールズ、イングランド、スコットランドとの対戦が待っている。
来年秋に迫ったW杯オーストラリア大会に向けては、最高の腕試しになるはずだ。
もうイタリアに勝ったくらいでは驚かない。
日本代表の進化と可能性を見たゲームだった。
令和の断面
青島 健太 Aoshima Kenta
昭和33年4月7日生/新潟県新潟市出身
慶応大学野球部→東芝野球部→ヤクルトスワローズ入団(昭和60年)
同年5月11日の阪神戦にてプロ野球史上20人目となる公式戦初打席初ホームランを放つ。
5年間のプロ野球生活引退後、オーストラリアで日本語教師を経験。帰国後スポーツをする喜びやスポーツの素晴らしさを伝えるべくスポーツライタ―の道を歩む。
オリンピックではリレハンメル、アトランタ、長野、シドニー、ソルトレークシティー、アテネで、サッカーW杯ではアメリカ、フランス、日韓共催大会でキャスターを務める。
現在はあらゆるメディアを通して、スポーツの醍醐味を伝えている。
2022年7月の参議院議員選挙で初当選。
