サッカーW杯は佳境に入り、世界中が優勝の行方に注目している。
国内では、全国各地で高校野球の予選が始まり、多くの人が母校の戦いに一喜一憂している。加えて大相撲の名古屋場所も始まった。
まさにスポーツの夏!そんな中で面白い記事(日刊スポーツ)を見つけた。
それはサッカーでもなく野球でもなく大相撲でもない。
陸上競技のリレーについてだ。
これまで日本代表チームは、バトンパスの際に下からバトンを渡す「アンダーパス」を採用していたが、これからは運動会でもおなじみの「オーバーパス」を導入するというのだ。
日本の「アンダーパス」は、これまでお家芸だった。
バトンを受け渡す二人の息が合わないと一発でミスが生じるバトンパス。これができるのは世界でも日本だけと言ってもいい難しい技だった。
バトンを持って走ってきたランナーが、渡す相手に近づいたとき、そのまま走りながら相手の手に下からバトンを入れる。「オーバーパス」のように前のランナーが腕を上げながら走らないため、スピードに乗ったままバトンパスができるのがメリットだ。
しかし、パスのタイミングが限られている分、当然ミスが多くなる。
この変更について日本陸上競技連盟短距離担当の信岡沙希重ヘッドコーチは
「近年のオーバーハンドのデータが少ない。アンダーがベストである根拠や日本にしかできないバトンパスを探りたい」と説明した。
とにかく勝つためにいろいろなことに挑戦してみようということだ。
日本は2001年から「アンダーパス」を導入し08年北京五輪、16年リオデジャネイロ五輪で共に銀メダルを獲得した。
しかし、それ以降はメダルから遠ざかり、21年東京五輪は棄権、24年パリ五輪は5位、25年の世界選手権(東京)も6位に終わっている。
あと一歩、何かが足りない。
そこで「オーバーパス」を試してみようということになったようだ。
リレーをめぐる環境も変化している。
18年にリレーゾーン(受け渡しゾーン)が20メートルか30メートルに伸びた。
選手の走力が上がった(9秒台の選手が多数登場)。
混合リレーが創設された。
こうしたことを受け、何が日本にとってのベストウェイ(最善の方法)なのかを探ろうというのだ。
いつもリレー競技を観ていて感じるのは、難しい「アンダーパス」で上手くバトンが渡るかどうかどうかだった。
観ている我々でも相当な心配(ストレス)を感じるのだから、選手たちのそれは大変なものだろう。
その分「オーバーパス」は、選手たちを少しは楽にさせる効果があるのではないかと想像する。
「オーバーパス」でもドンピシャのタイミングで渡れば、受け渡しする走者間の距離が「アンダーパス」より離れているので、タイムを稼げる可能性がある。
この「オーバーパス」は、早速7月18日のダイヤモンドリーグ・ロンドン大会から実践導入するそうだ。
さあ、「アンダー」か「オーバー」か。
目指すゴールは、来年9月の世界選手権北京大会だ。
令和の断面
青島 健太 Aoshima Kenta
昭和33年4月7日生/新潟県新潟市出身
慶応大学野球部→東芝野球部→ヤクルトスワローズ入団(昭和60年)
同年5月11日の阪神戦にてプロ野球史上20人目となる公式戦初打席初ホームランを放つ。
5年間のプロ野球生活引退後、オーストラリアで日本語教師を経験。帰国後スポーツをする喜びやスポーツの素晴らしさを伝えるべくスポーツライタ―の道を歩む。
オリンピックではリレハンメル、アトランタ、長野、シドニー、ソルトレークシティー、アテネで、サッカーW杯ではアメリカ、フランス、日韓共催大会でキャスターを務める。
現在はあらゆるメディアを通して、スポーツの醍醐味を伝えている。
2022年7月の参議院議員選挙で初当選。
